「DoCoMo J-pop Magazine ~吉田拓郎独占インタビュー・前編」
~リハーサルスタジオにて
(田家「昨日(19日金曜日)がリハーサルの最終日でした」)
年々リハーサルが大変。昔は夏がよく燃えるとか言って、夏が得意だったんだけど、この2・3年夏がキツイ。猛暑に耐えられない肉体。
猛暑の中でエアコンの効いたスタジオに入ると体調の調整が大変。年齢的にも肉体的にもキツイ。
今年は去年よりリハーサルがキツイです。
(田家「でもリハーサルは熱いですね、連日12時から7時まで歌いっぱなし」)
そうですね、1日3ステージ分は軽く歌ってる。体力的にホントにキツイ。
肺ガンの手術は成功して、今検査をしても全身検査をしても全く問題無し。再発の心配も90%以上無い、と医者は言う。
だから全然その心配は無くて、むしろ去年の冬あたりから「うつ病」(笑)。次々あっちが悪くなり、こっちが悪くなり。
自分で意識の無いうつ病。うつな感じ。軽い抗うつ剤を飲んでないと良くない。
気持ちはハッピーで明るいオジサンなんだけど、医者に言わせると、それもうつ病なんだって。
12月頃からヒマを持て余していたのは事実なんだけど、気になることといえば隣にマンションが建った事かなぁ、それで「うつ」になったのかなぁ、なんて(笑)
お酒も美味しいし、楽しくてハッピーなんだけど、「うつ」なんですよ。
それで、「うつ」のまま薬を飲みながら、そろそろ薬を止めようかなと思ったら今度は「六十肩」。要するに肩こり。僕は肩の凝った事の無い若者だったのに。
肩凝っちゃって。肺ガン・うつ病・肩こり…もうガックリ(笑)
僕はこういう性格だから、明るく乗り切ろうとするんだけど、でもシャツを着ようとしても痛くて手が背中に回らないの。こんなに辛いの同情してほしいよなぁ。慰めのFAXとかみんなから欲しいですよ。
「♪恋唄」
今年も2時間半くらいやりますけど、でも今年の練習は正直キツイ。
(田家「ミュージシャンは昨年までと同じ、瀬尾さんがコンダクターで?」)
ツアーという形式でこのスタイルのバンドは今年で最後。来年はイベントも考えてるし、その後はバンドを全く作り変えます。
大きい編成でのツアーは今年で最後。瀬尾ちゃんと一緒に旅をするのも今年で最後。
いい時間を一緒に体験したし、完璧な集大成のようなものが出来上がってきて。今年でこのシリーズはおしまいにしようと思っている。
(田家「これは初めての発表ですか?)
そうですね。来年のイベントはビッググループでやりたいですが、その後はバンドを作り変えます。瀬尾ちゃんと、来年のイベントまでは「この編成でやろう」と話しているけど、新しいバンドのメンバー集めも始まって、だいぶ揃いつつあります。ギターとか。
ビッググループはゴージャスな編成なので、ほとんどの曲が出来るんです。これまで出来なかった曲も、この編成だと出来ちゃって。
このバンドでやっておきたいなという古い曲をひっぱり出してきたりして、やってみたりしてる。
例えば「ハートブレイクマンション」。ホーンとかストリングスとかが入ってるとアレンジがしやすいし、ドラマ性のある曲も出来るんだよね。
まだよく自分でも選んだ曲が分かっていないんだけど(笑)
去年のツアーは、田家さんの小説をヒントに、広島から東京に出てきた青春時代をテーマにMCをやってみたんだけど、今年はその後がテーマ。その後の青春時代をテーマに曲を選んでいます。それこそ「ハートブレイクマンション」とか。
東京に出てきてしばらく落ち着いてきて、吉田拓郎という名前が市民権を得てきてからの話を。色んな事件とかね。それがMCのテーマ。
色んな事忘れちゃったんだけど、また色々田家さんに聞きながら(笑)
話せる所までは話してみようか、と。今ツアーを、このグループでの幕引きにしたいと思っている。
「♪ハートブレイクマンション」(Album”ローリング30″より)
(田家「来週は後編。来年の”つま恋”の話をします…」)