【Radio】2006年4月15日インタビュー(FM Nack5)

DoCoMo J-Pop Magazine ~つま恋特集・吉田拓郎インタビュー

(田家「拓郎さんは4月5日に60歳になりましたが、コンサートは3時間以上やっていますね。ではインタビューを)

(拓郎)やりたい、やれるだろうというパワーが復活してきているのかな、この数年で。それは恐らく、この3・4年やってるコンサートツアーが完成形に近いものがあるような気がして

それによって自分の中に新しい自信が芽生えていまスゴイいいステージが出来そうだという感じがどっかであるんじゃないかな。それを「つま恋で」って思ったのかな、って他人事のように…(笑)

非常に軽く重く平気だし平常心じゃないし、色んなものが混ざってて非常にスリリングで安定してる。って、説明しにくいんだけど、今やってるツアーはそういう感じがある。それが、野外とかで歌い切るというかそういうライブもOKだなってことに繋がってきたのかな

数年前に肺ガンの手術をして、それをきっかけに体力的な不安を含めての自分の充実度の展開が予想していない方向に変わってる気がする。それは歌う事や演奏する事、音楽を作る事に関しては手術前の自分とは違うような自信というか、それが一つ芽生えた。それまでの僕にはそれが無かった。

「そんな俺じゃなかった」っていう俺が最近いるよね。それは自分でもビックリしているの。病後なんだけど(笑)それは僕としても予測していない展開なんですよ。

僕も含めて、誰だってそう思い通り人生はいってないよ。だから若い時に夢を見たり、きっと日本はこんな風に良くなっていくんだろうなという大きな期待を掛けたりした事も全部崩れてしまって実は全然思い通りにいってない

若い時に不安だったことは今でも不安だし、人生観として言えば思い通りに行かないんだという事ばかりが多くて。そういう事の確認ばかりを年とってからしてて、何一つ幸せになってないという感じが強いんだけど

そうなると自分の中で、僕でいうと1975年につま恋があったとして、もちろんそこに大きな大志を抱いて集まった訳じゃないにしても、そこに集った6-7万人はどこに散って、日本中に散らばってどんな暮らしをしてんだろう、とかふと考えて

まあ、「幸せならいいな」とか「みんな元気でいてくれたらいいな」とかを漠然と思いますよ。何人くらい天国に行っちゃったのかなとかふと思うときがあって、そりゃ元気でいる奴は、出来たらみんなもう一回ここに来ないか、という気分があるんですよね。

そこにはひとつの同窓意識が最近あるなという気がしてて。もう一回彼らに声かけてまたつま恋に来てみろよ、って

「自分がここに居たんだな」って。ここにもう一度立ってみることはかなり意義があるし、今まで元気で生きてきた意味も感じられるんじゃないかな。僕はそう思ってつま恋に来ているんでね

あそこを青春の一日だったと思っている人達は、必ずもう一度味わえるはずなんだ、ここに来たら。うん、そう思う。75年のことは、そういう祭りだった気がする

だから是非こないか、って声掛けたい気がする

みんな東京へ散っちゃって、遠いとこから静岡県まで大変だと思うんだけど、その甲斐はあるよって。だから40・50・60になって、来てみると今の自分が正しいという気になれると思うよ。何か

オジサンもオバサンも舞い上がっていいと思う。舞い上がると思うよ。僕、舞い上がってるよ(笑)僕のテンションは相当舞い上がってると思う。

自分が舞い上がってるのが分かる。やたらよく喋るの。最近。これは自分がハイテンションになってる証拠ですね

まず1曲目から思いっきり俺はカマすつもりだから(笑)飛ばすつもりでいるから、スッゲエ楽しみだよ

そのまず1曲目で真っ昼間の1時頃から始める訳じゃない?久しぶりだよ、昼1時から歌うのも

その一曲目ですよ。75年の時、1曲目で思いっきり舞い上がっている訳でしょ。もうさっぱり憶えていないんだけど、予定では1時間以上歌わなきゃいけないのが2・30分で止めてるらしいの。俺は。それ位舞い上がってるんだけど、それをもう一回体験できるわけでしょ?こんな幸せは無いからね

1曲目は、もう全精力をこめて!の1曲目にするから。あとは分かんないけど(笑)1曲目は凄いことをやろうと思ってんだ

もう1曲目に賭けてんだ。それによって流れが出来るでしょ。75年の時はそれで流れが掴めなくなっちゃった(笑)俺が最初にトチったからみんなが舞い上がっちゃって

そのあとバタバタになるんだけど、そうなるかどうかだな

1曲目にかかってるから。責任重大だし、選曲も楽しみ。何をやるか

客席は…久しぶりで生意気言わしてもらうと

『金払ってると思って偉そうにすんじゃねえ』(笑)

ってので今回は行きたいですね。久しぶりに言わせてもらいました

「金払ってると思って偉そうに客ヅラするんじゃない!」ということで今回は行きたいですね(笑)

「♪旧友再会フォーエバーヤング」(by 豊かなる一日)